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歯科再生医療
歯科再生医療

歯は器官であり、大事な機能がある

歯は、食べ物を咬むことや、歯の歯根膜によって歯の移動、外部刺激に反応する知覚の役割を担っています。歯そのものの欠損に対する現在の歯科治療では、入れ歯やブリッジ、口腔インプラントなどの人工物による機能代替治療が確立しています。しかしながら、これらの人工物による代替治療は咬むという機能回復においては有効ですが、歯の移動能や知覚などの生理的機能は回復しないため、天然の歯が有する生理機能のすべての回復を目指した生物学的な歯の治療の技術開発が望まれてきました。

完全な機能を回復する歯の再生へと革新

歯は、胎児期に、上皮性幹細胞と間葉性幹細胞の相互作用によって乳歯と永久歯の歯胚が二つ誘導されます。そのため、永久歯を失うと2度と歯は生えてきません。歯を再生するために、私たちは、器官原基法により、新たな歯胚を再生して歯の欠損部位へ移植することにより、再生歯を萌出させ、機能的な歯へと成長させる革新的な技術を開発しました。歯科領域では30年以上にわたる研究に大きなブレークスルーが生まれました。再生した歯には天然の歯と同等の歯根膜や神経、血管が存在し機能的な再生が可能であることを実証しました。最近、大型動物として、イヌ永久歯歯胚から歯胚を再生後に同所的に移植し、イヌの歯の再生も実証し、ヒトでの実現可能性が示されました。
現在、歯の喪失に対する歯の再生を実現に向け、再生治療に用いる患者様より採取可能な細胞シーズを見つけることが大きな課題です。私たちは、歯の再生に向けて、歯胚や歯の幹細胞の探索、iPS 細胞から歯胚や歯周組織を誘導する技術開発を進めています。

近未来の革新的な歯の治療、次世代インプラント

現在の口腔インプラントは、骨に直接、インプラントを埋め込むため歯槽骨が十分あること、天然の歯のように歯根膜がないため、生理的な歯の移動ができないこと、、顎骨の成長過程にある若年者に適応できない、さらにインプラント体の骨との結合が不十分であったり、細菌感染や破損したりするなど治療に関わるトラブルが多く報告され、現在、社会的に大きな問題へと発展しています。この改善に向けて、革新的なインプラント治療が期待されてきました。これらの問題は、天然の歯のように歯と歯槽骨の間をつなぐ歯根膜を含めた歯周組織が存在しないために起こると考えられています。私たちは、これらの問題を解決するため、口腔インプラントと歯周組織を結合させることによって天然の歯根と同等の機能を有する次世代型バイオハイブリッドインプラントの開発を進めています。

次世代インプラントの実現に向けて

私たちは、このインプラントの大きな問題を克服するために、インプラントが天然の歯と同じ生理機能を持つことができれば解決可能と考えました。そこで重要なものが「歯根膜」です。インプラントが歯根膜で骨とつながれば、すべての問題は克服できると。
私たちは歯ができる仕組みを理解し、ハイドロキシアパタイトがコートされたインプラントに、歯周組織のもととなる歯胚の歯小嚢組織を付与し、歯喪失モデルマウスの顎骨に移植を行いました。すると、インプラント表層からセメント質、歯根膜、歯槽骨で構成される歯周組織の形成が認められ、生物学的な歯周組織形成を有する次世代インプラントができたのです。次世代インプラントは、歯周組織により、歯の生理的な移動がおこるため、矯正治療すら可能です。さらに神経線維が侵入し、知覚刺激が回復しました。
現在、さらなる研究開発を進め、歯を抜いた直後のインプラントに歯根膜を付与することが可能であることや、自己の歯根膜細胞を用いれば次世代インプラントにできる技術開発にも成功し、この次世代インプラントを早期に臨床応用することにより人々の健康と生活の質の向上を目指しています。